『ビデオテープが見られなくなる「2025年問題」勃発』 !! ガ━l||l(0Δ0)l||l━ン
今から半世紀前の話。家庭用のホームビデオデッキが初めて登場した。それまでは言わば放送業界用の編集用VTRとしての性格が強かったが、初めて家庭用のビデオデッキが登場した。ベータマックスタイプのビデオテープで一斉を風靡し、当時のビデオデッキ1台は、凡そ20万円近くはした庶民に取っては、憧れの高値の華と言われる家庭用電気製品であった。しかしその後、各電機メーカーが挙って、技術力を競い合って量産体制に至り、そこに登場したのがVHS(ビデオ・ホーム・システム)型のテープデッキである。この登場により、一時期、型式をベータマックスにするか?VHS型にするか?国内世論が分かれた。しかしこの時代、ビデオデッキの人気の主流がVHS型優勢と成り、結果、家庭用ホームビデオデッキとテープは全てVHS型に統一された。以降、量産体制は加速され、1台、30,000円前後で買える時代となり、ビデオテープも量産で、パック詰めの箱入りのビデオテープも登場する等、黄金全盛期を迎えた。その後、ホーム用ビデオカメラも登場し、8mmテープも登場する等、隆盛を極めた。しかし技術の進歩は更に進み、テープ媒体に飽き足らず長期に映像等を記録保存出来る、ディスク盤への置き換えが始まった。つまりアナログからデジタルへの過渡期の始まりでもある。音楽と言った音響関連は既に、レコードからディスクへの移行が進行していたが、映像部門関しては、やや遅れを取っていた面は否めなかったと言える。しかし、昭和、平成、令和と時代が変わり、デジタル技術は高い頻度で、高度化し今や様々な機械分野に於いては、全てデジタル技術への置き換えが当たり前に成り、逆に旧態依然のアナログ版の磁気テープ記録は、次第に衰退傾向に拍車を掛ける様に成ってしまった。家庭用レコーダーもテープからディスク及び、ICチップへ移行とコンパクト化に拍車か掛かり、メーカーもそれに追々をする形と成った。そう言った状況が進行する最中、今年、最大の問題が持ち上がっていると言うのだ。昭和から平成に掛けて幅広く使われたVHSビデオテープの映像が見られなくなる、いわゆる『2025年問題』がそれである。VHSの再生用ビデオデッキの生産終了から既に8年が経過し、最後に販売されたVHSビデオテープもやがて耐用年数を迎え、視聴環境が失われる恐れがある。その恐れていた事が、今年は該当の年に当たっている事から、各方面では大変な事態に陥っているのである。その影響からか、家族の思い出や仕事の記録といった唯一無二の映像をデジタルデータ等へ移行する動きは活況の様子であるが、その影響からか人出が足らない程の状況で、処理が覚束ない事態だと言うのだ。昨年の12月の平日の事、東京都内のとあるVHSビデオテープのダビングサービスなどを手掛けている会社を取材を申し込むと快く取材に応じてくれた。取材を開始すると、この会社のスタッフらが全国各地から送られてきたVHSテープの映像をDVD等へ移行する作業に追われていた。依頼品の多くは、個人客が所有するホームビデオで、家族旅行や子供の入学式、スポーツの試合等を記録したものが多いと言う。但し、運営責任者の話に因ると「研究資料やセミナーの様子を残したい、と言う法人からの依頼も全体の2割程あります。」とこの様に語った。 取材した同月の依頼件数は、前の年の同じ月の2倍程に増加しているという。「形式が時代遅れになった結果、今年(2025)年頃に、(情報の)伝達が停止する可能性がある」と、 運営責任者はこの様に指摘しているからだ。国連教育科学文化機関(ユネスコ)が、VHS等の磁気テープに保存された情報が失われる危険性への注意を喚起する『マグネティック・テープ・アラート』を発表したのは令和元(2019年の事で、一般的にVHSビデオテープの寿命は約20年、長くても30年程と言われている。ユネスコの『マグネティック・テープ・アラート』発表から既に5年が経過し、昨年の令和04(2024)年辺りから、VHSビデオテープの再生機器や部品が急速に市場から姿を消して折り、今年令和07(2025)年頃には、映像が見られなくなる危険があると言うのだ。家庭用ホームビデオ録音再生機の歴史は、昭和50(1975)年04月に発売された、ソニーのベータマックスが最初である。その後、昭和51(1976)年10月に、日本ビクター(現 JVCケンウッド)が、VHS型デッキを開発&発売した。当時、ソニーのベータマックスと日本ビクターのVHSとの規格分裂で当時は何かとお騒がせの話題と成った。市場がVHS型に統一された事で、テレビ番組のタイムシフト視聴や家庭での映画ソフト鑑賞を可能にして全世界に普及し、ビデオデッキの生産台数は累計で9億台を超えた。しかし、時代が昭和から平成、そして平成後期に入ると、記録媒体は因り高画質で記録出来るDVDに取って代わられる様に成り。平成20(2008)年には、ビデオデッキの生産を終えた。しかも昨年令和06(2024)年に破産手続き開始が決定した、船井電機(FUNAI)が国内企業で唯一、VHS再生機を生産し続けていたが、それも平成28(2026)年には終了していた。JVCケンウッドの担当者は「VHSテープとビデオデッキは、これまで膨大な量の映像資産の蓄積に貢献出来た。映像産業や教育、芸術等で様々な分野に影響を与えられたのではないか」と、この様に功績を自負する。その一方で、VHSテープ内のデータを移行し、保存する試みは国内各所で進んでいる。しかし今回の『2025年問題』の勃発で、予約は2ヶ月先かもっと後と言う事態が発生していると言う。映像技術に詳しい日本大学芸術学部放送学科の教授は「学科内でもVHSテープの映像資料をデジタル化する作業を行なっている。デジタル化したデータは大学のサーバーに保存する」とこの様に語り、「データが壊れない限りは、映像を守る事が出来るため、より安全だ」と語る。移行作業は、VHSのアナログ信号をデジタル信号に変換するための専門機材で行ない、これには収録された映像の長さと同じだけの時間を要すると良い、かなりの持久戦=長期戦を強いられると言うのだ。既にビデオ再生機器は、製造もスペアパーツの供給も保守サービスも終了しているため、正常に動作する再生機を維持出来なく成れば、磁気テープの視覚情報を確認する事は出来ず、フィルムの様に、一コマずつスキャンする事も出来なくなる。更に経験豊かな技術者が団塊の世代の大量退職で居なく成り、テープには1インチやベータマックス、VHS、Hi8等の様々な規格があり、その規格毎にイチイチ再生する機器も異なる。放送業界では既にファイルベースに切り替わっているため、これらの知識と経験を持った技術者は増々減って行くと言うのだ。最終的には、ビデオテープ自体の経年劣化も加わって、デジタル化の難度と共に費用もグンと跳ね上がり、予算を確保する事自体が更に難しくなるためだと言う。今年 令和07年=2025年は、これらの総合的な判断ではあるが、正確なデッドラインは、今、読者の皆様が実際に所持して使っているビデオ再生機器の場合「再生機のヘッドが、完全に擦り切れるまで」が有効期限と言えるだろう。その時期は、動作する再生機の台数や稼働率、使用法等で大きく異なって来る。新たな機材や部品の提供がない限り、再生機のヘッドは、個人が持っているものから、組織や企業、地域、国、世界の順で減り切れていき、最終的には動作可能なビデオ再生機は完全にゼロ消滅に成って仕舞う以外に方法はないと言う事の様だ。デジタルファイル化出来る期間を少しでも伸ばすためには、使える再生機を廃棄したり、手荒な使用でヘッドを傷めたりする事なく、現存する全ての再生機を大事に有効活用していく意識が必要だと言えそうだ。ガ━l||l(0Δ0)l||l━ン
(今年に入って “2025年問題” として、浮上したビデオテープ問題。肝心の映像がデッキで間もなく見られなくなる、デッドラインイヤーに突入した。)
(東京都内のとある、ビデオテープをダビングしている専門会社。連日の問い合わせで、行き付く暇もない忙しさだ。ビデオテープの画像を見ながら、専用ファイルに入れる作業に余念がない。)
(ダビングの依頼は、家族関係の思い出のダビング以来の他、事業関係、学校関係、地方公共団体等と分け隔てなく問い合わせが多い。今年に入ってそのデッドラインイヤーに入った事で、予約も2ヶ月待ち、それ以上の場合もあるとの事で。ダビング現場は大変な事態に至っている。)
(見られなくなるのは、VHSテープ、8mmビデオテープ等、つまり磁気関連テープは、全てアウトになる、つまりデジタル化して於かないと、大切な思い出は永遠に見られなくなる。猶予は無くなってしまったのも同然に成った。)
(全てDVD-Rにダビングして於かないと、今後はビデオテープでの視聴は不可能に成る。)
(家庭用ホームビデオデッキとして、初めて登場した、ベータマックス。ビデオテープは、小型ではあったが、デッキとしてはかなりの重量感があった。しかしこの後、VHSビデオデッキの登場で、シュアは減り続け。規格統一で最後まで抵抗をしたものの、軽量化して持ち運び易いVHS型ビデオデッキに敗れ去った。)
(VHSビデオデッキの創生期に誕生した、ビクターの “HR-3300” ビデオテープは、ベータマックスより大きかったものの、デッキの持ち運び易さや軽量化であった事から、国内シュアは一気に伸びた。ライバルであったソニーとの規格統一にも競り勝ち。以後、VHS型ビデオデッキがスタンダートとなり、各家庭へ普及をした。)
(ビデオテープ自体もやはり磁気テープである以上、経年による劣化で映像が見られなくなる。当然、ビデオデッキ自体も未来永劫と言う訳には行かず、経年劣化からいつ故障してもおかしくない時期に差し迫っている。事態が突発的に起こり得る事も十分にあり、早めのDVD-Rへのダビング保存は待ったなしの状況だ。)
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
JG7MER / Ackee
0コメント