『キログラム(kg)』の定義、約130年ぶりに変わる事に !! \(゜□゜)/

今回は少々お堅いお話し。物理的定義の変更に関する話題である。f^_^; 物理と言うと読者の皆さんにとっても特定的分野の方々にしか使われないもので、一般にとっては無縁の様にも感じるが、意外と我々一般社会生活の中に於いては、かなり重宝されている。例えば重量関係で言えば『グラム(g)』『キログラム(kg)』『トン(t)』等、電気関係で言えば『アンペア(A)』と言った様に、知らぬ間に日常生活に於いては、いつの間にか使われている言葉であり、日常生活に於いても欠く事が出来ない単位表記である。(^-^)/ そういった中で、我々が普段良く使う物理的定義と言えば、重さ=重量に当る『kg』が代表格になるが、先般11月16日にフランス・ベルサイユで行われた国際度量衡総会で新たな定義に移行する案がこの程、採択された。新しく採択された案件の内容は、フランス国内にある『円柱状の分銅を国際的な基準としている質量の単位『kg』の定義を約130年ぶりに改訂見直しをし、基礎物理定数を使った新たな定義に移行する』というものだと言う。1kgの現在の定義は1889年以降、フランス・パリ郊外の国際度量衡局にある、白金イリジウム合金製の分銅『国際キログラム原器』の質量が基準とされ、日本など『メートル条約』の加盟国には、それぞれ複製が配られていた。しかし分銅は、表面の汚れや傷で重さが僅かに変わる等誤差が避けられず、誤差のない基準の策定が進められてきた。そういった中で今回は、光が持つエネルギーの最小単位で、電子や原子の質量計算に使える物理定数『プランク定数』を新たな基準にする事になった。『プランク定数』は電子の質量等に密接に関係し、正確な値が解れば計算で1㎏を割り出せる事が出来るとの事である。この測定には日本の産業技術総合研究所(茨城県つくば市)や、ドイツ、米国等の研究機関が関わった。日本の産業技術総合研究所は、高純度のシリコン結晶の密度を精密に測定し、正確な『プランク定数』を求める事に成功する等、新たな定義づくりの参画策定に大きく貢献した。今回の国際度量衡総会では、絶対温度の単位『ケルビン』や電流の『アンペア』、物質の量を示す『モル』も定義が変ると言う。光が持つエネルギーの最小単位で、電子や原子の質量計算に使える物理定数『プランク定数』を新たな基準にする事になった。茨城県つくば市の産総研の本部では、20人の研究者がネット中継で総会の推移を見守り、変更が決まると大きな拍手が起こった。産総研の首席研究員は「キログラムの定義を変えるのは夢で、現役の間は無理だと思っていた。30年来の成果が実った」と感慨深げに語った。移行は来年05月20日から実施され、我々一般への影響だが、1kgの質量そのものは変わらず、社会生活に影響はないが、逆に誤差が生じにくくなるため、新薬開発などに必要な微細な質量の計測がより正確に出来るようになると言う。云わば、製薬部門に携わる関係各位にとっては朗報となる。今から130年近く前の19世紀末、当時の最先端の冶金工学などが導入されて製作された白金イリジウムの金属塊は腐食せず、また摩耗にも強く慎重に扱えば10万年は質量の基準として機能するだろうと期待され、家庭にある体重計から、スーパーや小売店で肉や魚を計量する量り、薬剤師が薬を調合する精密量り、鉄鉱石や原油等の輸出入に関わる大型の量りに至るまで、世界中の質量に纏わる計測の基準は、これまでは全てこの『国際キログラム原器』が基準になって来た。しかしその後の計測技術の発展から、当時は予期しなかった変化がここ数年前から見え始めてきた。どんなに慎重に扱っていても、その基準が僅かに変動している事が最初から分かってはいても、日常生活には影響しない程のごく僅かな変化でも、今日のハイテク社会にとっては無視できない変動で、しかも高度な科学技術の更なる発展により、これまで無視出来ていた計測上の微小なずれが見つかり、今後の科学の発展を阻害する恐れが出てきたからである。(・_・;) 当然基準がずれてしまえば基準としての役目を果たす事は出来ず、科学技術の進歩に対して基準が基準としての役割をも果たせなくなってきた事による、今回の決定。今後は従来の分銅など特定の物体に因らなくなり、手間の掛かる管理や誤差の心配もなくなる。これまで絶対的な基準と云われてきた、分銅によって計測されて来た計測基準。来年の05月20日以降からは、約130年ぶりに主役交代、いわば科学技術分野に於ける「大政奉還」と云った処だろうか…。その日を迎える事になりそうである。(^-^)/

(1889年、白金イリジウム合金製の分銅『国際キログラム原器』の質量が基準とされ、今日までの物体による『1キログラム』の定義の基準となった。)

(産業技術総合研究所で開発したシリコン単結晶球体の形状を高い精度で測定するレーザー干渉計。これからは従来の分銅式に取って替わり、シリコン結晶密度を中心とした測定方法になる。)

(フランス・ベルサイユで、国際度量衡総会が行なわれ。約130年ぶりに『kg』に対する定義が変更された。これまで長い事使われていた、物体・分銅を使った原器は、来年05月20日以降からは、シリコン結晶密度に基ずく測定方法に替わる。しかし物理学的計算式や重量関係は、これまで通り、変更はない。)

(重さの定義、kg(キログラム)の定義変更が決まり、拍手して喜ぶ産業技術総合研究所の関係者。)<茨城県つくば市>

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