『深刻化する処方箋薬の裏事情』【後編】 !! 〣( ºΔº )〣
引き続き前回からの続編と言う事で、前回は薬局に安定供給ではなくては成らない、常備する処方箋がない窮状に付いて述べてきた。こうした危機的状況は、2年前から起こっていて、今現在全国各地にに広がっていると言う。医薬品メーカーでつくる日本製薬団体連合会が令和03(2021)年11月に、医薬品約1万5000品目の供給状況の調査結果を発表したところ「欠品」や「出荷停止」等で入手が困難になっているのは3143品目と実に全体の約20%に上っているという事だ。薬剤師は「薬が合うかは相性もあるので人に因っては副作用が出るケースもある」として、切り替える患者への説明は、通常以上に慎重に対応する事にしていると言う。処方箋不足の話題は、実はネット上でも様々な声が上がっている。「子供のアレルギーの薬、いつも1ヶ月分貰いに行くんやけど、昨日薬局行ったら、この薬次はもう無いかもです。色んな薬が手に入らないんですよ。。って言われたー。うちの子そのアレルギーの薬しか飲めないから困ったもんだよ」と、嘆き節の様なコメント投稿されている。同じ事は患者に医薬品を渡す医療現場からも苦悩や限界を訴える切実な声が聞こえて来る。「お薬はないです。薬局を替えても卸を替えても手に入りません。処方を出す立場の方々、常に代替薬剤を想定して下さい。薬剤部は頑張っていますが、我々ももう限界です…。薬剤師として必死に掻き集めています。どうか状況をご理解頂き薬剤師に当たらない様にお願いします。」と平謝りの状態だと言う。では何故こんな事が起こってしまったのか。事の発端は令和02(2020)年の12月に発覚した、福井県のジェネリック医薬品メーカーが製造した水虫など真菌症の治療薬に、睡眠導入剤の成分が混入した問題が事の発端である。事件発覚後当初から密着取材をしていたとあるマスコミの記者は、余りにも杜撰な製造工程の実態と起きてしまった健康被害の両方に大きなショックを受けてしまったと言う。何時もの薬を飲んだだけなのに急に意識を失って救急車で運ばれた人、運転中に朦朧として事故を起こしてしまった人、中には事故の原因が分からず自分を責め続けた人にも会って取材を続けた処、健康被害が出た人は、全国各地で245人に上ったと言う。一方で会社側は、睡眠導入剤の成分が混入した際に2人で行なう筈の作業を1人で行っていたのを始め、多くの製品で国が承認していない工程で製造していた他、そうした不正が発覚しない様「二重帳簿」を作成する等、会社組織的な隠蔽を長年続けてきた事実が明らかに成った。こうした不正行為を福井県の査察でも見抜く事は出来なかった事に成ってしまった。結果、この年の02月にこの会社は福井県から過去最長となる116日間の業務停止命令を受ける処分にに至った。行政による処分は定まった一方で、問題の波紋はこの後更に広がって行く事になる。この問題の発覚後、全都道府県による査察が一層強化され、業界団体の呼び掛けで自主点検も行われ始めた。その結果、別の医薬品メーカーでも製造工程での問題が相次いで発覚したのだ、富山県の製薬会社2社、徳島県と愛媛県にそれぞれ本社を持つ製薬会社、各1社に製造工程で不正が発覚し、全国規模で4つの企業が業務停止命令処分を科せられた。中でもジェネリック医薬品業界で大手3社の1つに数えられている、富山県を本社とする製薬会社に於いては本格的な再開には至っておらず、幅広い種類のジェネリック医薬品などが供給停止や出荷調整を行なう事態が続いたと言う。医薬品政策に詳しい専門家は、今回の事態を「これまでに例の無い大規模な医薬品の供給不足だ」とした上で、背景についてこの様に指摘している。「ある会社が出荷停止になると、同じ成分のジェネリック医薬品を販売している他の会社に注文が集中します。その結果、注文を受けた会社でも自社の供給量を上回るため出荷調整をする事に成り、丸で「玉突き状態」の様に出荷調整や供給不足が広がって行くという状態です」のこの様に語った。序に「各メーカー毎に精緻な出荷計画がある以上、足りなくなった多品目の医薬品を直ぐに供給出来る訳ではなく、影響は暫く続く事が見込まれる。」と指摘した。その上、今直ぐ必要な事として現場への情報提供の仕組みを整える事の必要性を指摘した。「アメリカでは供給不足に成った場合に代替薬がどういうものかや不足の解消にどの位の期間が掛かるのかという事をデータを集めて分析し、医療現場に情報提供する仕組みがかなり進んでいる。こうした仕組みを日本でも作ることを考える必要がある」とこの様に語った。今回の製薬会社に於ける会社組織ぐるみの不正行為が全てで、今回の処方箋不足の要点に至ったひとつの要因と言っても過言ではないだろう。結果、今回の事の発端と成った福井県の製薬会社は、不祥事の責任を取って医薬品の製造工場等の設備を他社に譲渡し、医薬品の製造・販売から完全撤退する方針を発表した。私達が毎日頼りにしている医薬品の「安全」という前提が崩れる大きな問題が発覚したこの一連の問題。一方で医薬品業界全体では、今度は医薬品の「安定供給」というもう1つの大前提が脅かされる異常事態。長年もたらして来た悪しき慣習と傲りが一気に噴き出てしまったと言っても過言ではないだろう。人の命を預かる製薬会社による組織的な隠蔽実態、元に戻るにも最低は10年以上は掛かる可能性があると言う。言わば失われた10年に成り下がっってしまう可能性があるかも知れないとの事らしい。こういう事はあっては成らない事であり、製薬品業界全体の信用にも関わる大問題でもある。
(製薬会社も次々と新薬の開発に急いではいるが、一連のコロナ渦の所為で、需要と供給が追い付かない時代に陥り、遂には裏の方では禁じ手に近い行為が日常茶飯事に行なわれていた。しかしその事実は後刻、大きな問題と成って明るみに成る事は、誰一人予想していなかった。)
(製薬業界ぐるみの製造段階での不正行為が次々と暴かれ、遂には営業停止処分を受ける羽目に陥り、処方箋の供給事情は一気に切迫した状態に陥った。)
(新薬開発製造段階での一連の不祥事で、製薬業界の組織的隠蔽的悪質な事実が明るみに成り、複数の会社が長期間の業務停止処分が下り、一気に処方箋不足の引き金に発展。このうち1社は、製薬部門を他社に譲渡し、責任を取って会社は廃業を余儀なくされた。余りにもこの代償は大きく、医療現場や調剤薬局に取っては、大きな重荷=足かせと成ってしまった。)
(薬事法違反が判明し、監督官庁である厚生労働省は、違反した製薬会社に対して厳しい処分を発令。そのツケがジワリジワリと今も襲っている。)
(一度、不祥事を起こした製薬会社は直ぐに創業再開とは行かない。)
(安価なジェネリック薬品が普及し、作れば作る程赤字続きに陥り、そこから様々な不正行為が発覚。今後製薬会社に取っては、“勝ち組” “負け組” の二極化が予想され、最悪製薬会社の倒産と言う事態があり得る事も、否定出来ない事態に…。)
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JG7MER / Ackee
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