『深刻化する処方箋薬の裏事情』【前編】 !! 〣( ºΔº )〣
読者の皆様に於かれても、常日頃の身体の健康には特に気を遣われている事多い事だろう。人間は生まれた時から誰でも、健康な身体の元で毎日を清々しく送りたいと言う気持ちは、極当たり前の事で普通な事である。しかし環境の変化に伴い、精神的なストレスが加わると様々な肉体的な障害=トラブルが発生する生き物である。当然、身体的な不調が起こればそのまま放置する訳には行かないので、悪く成らないうちに、医師の診察を以って、処方箋=お薬を頂くというのがパターンとなる。特に身体に常時疾患を抱えている患者さんに取って、処方箋は無くては成らない命綱の様なものである。『罹り付けの医師に診察をして貰い=処方箋を調剤薬局から頂く』。この当たり前だったパターンの恒等式図式だが、ここ最近、どうもその図式が崩れかかって来ている様だ。以前から指摘されていてこれまで表沙汰に成る事が無かったものの、今年に入ってからニュースや午前及び午後の生ワイド番組で取り上げられた事により、新たな社会問題として起こってきた。今回はさすがに1回でのBlog記事として、纏めるにはとても困難なため、前編と後編の2回に分けて、その実態を深く抉りながら追及して行きたいとと思う。先ず第一に挙げられる事、それは『薬局に薬がない』と言う異常事態である。事のきっかけは、薬事法違反処分に伴う製薬メーカーの不祥事をきっかけに、全国的規模での医薬品の供給不足が続いていると言うのだ。東京都内のとある薬局に、あるマスコミ関係者が密着取材すると、足りない薬の確保に追われ出口が見えない現場の実情が垣間見る事が出来たと言う。薬局のオープン前、薬剤師の朝一番の仕事は、薬の卸売業者から届くFAXの確認だ。通常なら前日の18時までにオンラインで発注した薬が翌日の午前中に納品される段取りが普通だ。だが届いたFAXの束には「欠品」の文字が。取材陣が即座に「これは?」と尋ねると、薬剤師曰く「これは血圧の薬が欠品しているという連絡です。本来なら今日の午前に納品される筈の物ですが、一部は来週に成ってしまうとの事。毎日飲まないといけない薬なので、もし患者が重なった場合には在庫が足りなくなって、飲むべき時に飲めない可能性があります」とこの様に語った。大変な由々しき事態であるが、欠品連絡のファックスはこれだけでは留まらない。「こっちはもっと拙いです。小児用の風邪薬ですが、冬での処方がかなり多いので、納品が遅れて、今日の午後になると今すぐ必要な人に届けられません。更にこちらのコレステロールの薬は入荷日が「未定」に。普通は「何月何日」とあるが、全く書いてないので最悪の場合、入荷は来月以降になると思います」結局この日は発注を掛けていた卸売業者6社のうち、3社から欠品の連絡があったと言うのだ。 取材陣が医薬品を保管する棚を見せて貰うと、あちこちに「出荷調整」の札が掛っていた。つまり札が掛っているものが入手し辛い「品薄の薬」との事の様だが、とても多いように見える…。取材陣の更なる問い掛けに、薬剤師はこの様に応えた。「今は飲み薬の3割から4割が品薄状態です。今までこう言う事は、全くなかったです。例えあったとしても年に1、2品目程度と僅かでした。なので薬剤師が把握出来ていたのですが、今の様にこれだけ多いと全て覚えられないので札を貼って解る様にしているんです」と切実な胸の内を証した。そうしている内にこの薬剤師、何処かに電話をかけ始めた。つまり欠品の連絡があった血圧の薬について、別の卸売業者に在庫がないか確かめるという事の様だ。しかし…「プー、プー、プー。」と無情にも話し中。薬剤師に因ると、都内のある区と隣接の区で100軒ほどの薬局があるとの事だが、それぞれの薬局が朝一番で一斉に電話しているため、繋がり難いとの事。それでも、契約している7つの業者に順に電話を掛けて行くのが現状だと言う。オンラインでのやり取りでも出来るものの返信は2、3時間後に成ると言うのだ。そうこうしているうちに、薬局はオープンする朝9時を過ぎる。毎月、処方箋を持って訪れる罹り付けの高齢の男性患者が訪れると、電話を掛けるのを中断して対応しなければ成らない。しかもこの高齢の男性患者が飲んでいたジェネリック=後発医薬品の血圧を抑える薬も入手が難しくなり、2ヶ月前から別のメーカーが作る同じ成分の薬に切り替えざるを得なく成っていたと言う。「新しい薬は有効成分が同じですが、薬の色は白からピンクに変わり、大きさも倍近くになりました。同じ成分の薬であれば基本的には同じ効果が期待出来ますが、薬が合わずに体調などに影響が出る人も一部にはいます。」と語り、この薬剤師は、男性が新しい薬をきちんと服用出来ているか、身体に不調がないかを丁寧に確認している。患者さんへの対応後は再び電話に戻り、朝一は繋がらなかった卸売業者にかけていき、やっとの事で今度は繋がる。「お世話になります。在庫があれば今日午後頂きたいのですが…」。しかし…、求めていたメーカーの血圧の薬は在庫がないとの返事。「入荷時期は?未定ですか、分かりました。この薬で別のメーカーで在庫あるものがあれば…。在庫なしですか。後発品全て在庫なしという事ですね?分かりました。またあれば宜しくお願いします」何とどのメーカーのものも在庫はない、という事だった。薬剤師によると、この血圧の薬を飲む患者は薬局に10人居ると言うが、この日の時点で薬局の在庫の残りは100錠。しかも1日1錠飲む薬なので、もし患者が10人集中して訪れる様な事があれば1人に渡せるのは10錠ずつしかないと言う量だと言う。薬剤師は「あと100錠は必要な状況だ」として、他の卸売業者に電話を掛け続けると言う。「メーカーはどちらでも構いませんので、在庫ありますでしょうか?」と尋ねると、業者の返事は「100錠入りの箱はないが、500錠入りが1箱ならある」との内容だった。しかもこの薬の入荷は1か月ぶりの事だと言う。結果、この薬剤師は即決でこの薬を発注する事にした。「それ1箱頂けますか。午後便でお願いします」と即答した。注文の電話を終えたあと、この薬剤師は通常より多い500錠を発注せざるを得なかった事への、心の葛藤について話してくれた。「100錠入りは無いと言う事で発注を掛けましたが、在庫が5倍になるので私達の様な中小の薬局はこれを繰り返すと在庫金額がかなり跳ね上がってしまうんです。それでも患者さんに薬をお渡ししないという訳には行かないので、どうしても過剰在庫になるリスクを負ってでも患者さんに薬を渡さないといけません。在庫管理の面でも、資金的な面でも町の薬局は大変苦労しています。」と語った。更に薬剤師は、もう1つ、薬局がこれまでより多くの在庫を持たざるを得ない理由があると指摘している。それは長引くコロナ禍でなるべく通院の回数を少なく済ませられる様、これまで2週間や1か月分ずつ処方されていた薬が2ヶ月分、3ヶ月分と「長期処方」が行われるケースが増えた事だと言う。「買い溜めをしてしまうと欠品にも繋がるので必要量に留め様と思っていますが、長期処方が増えているので、それに応えるためには多少は仕方がない面もあると思います。」結果、この日この薬剤師は、朝から夕方まで、調剤の作業や患者に対応する時間の合間を縫って卸売業者に電話を掛け続けていたと言う。それでも入手出来ない薬はどうすれば良いのか?と尋ねると、薬剤師は「同じグループの薬局4店舗でSNSを使って足りない薬の情報を共有し、必要に応じて互いに薬を融通しあう仕組みを作っています。この日の午後もSNSの書き込みを見て、別の薬局に電話を掛けました。」とこの様に語った。「在庫あれば分けて欲しいのですが…。夜、頂きに行っても宜しいでしょうか。後程お伺い致します。」と伝え、19時に薬局を閉めたあと、車で片道1時間程の横浜のとある薬局まで風邪薬を取りに言ったと言う。終日同行密着取材したとあるマスコミ取材班は、始業から終業まで「足りない薬の確保に明け暮れた1日」といっても過言ではない過酷な実情だった事に驚きを隠せなかったと言う。この薬局では昨年の夏頃から徐々に薬が入らなく成って来て、日を追う毎に状況が悪化している状態だと言う。取材陣が「何時がピークでしたか?」と尋ねると、「今がピーク。良く成る事はないので、悪くなる一方ですね」と語った。取材の最後、取材に協力してくれた薬剤師に「今、一番求めている事は何ですか?」と尋ねると、「以前の様に発注した薬が発注通りに即日納品され、患者さんに必要な薬をお渡しする事なんです。」と語り、その上で、とひと言付け加えた。「処方箋を発行する側の医師にも何が不足しているのかを、把握して貰う事が品薄解消に繋がると思います。」切実な苦しい胸の内を証した。後日取材した内容は、ニュース番組のトピックスの中で全国向けに放送された。放送後、この薬局のもとには近隣のクリニックの医師から連絡が入り、「調剤薬局がここまで酷い状況だとは知らなかった。家のクリニックで協力出来る事があれば教えて下さい」とこの様に助け舟の連絡を入れたと言う。足りない薬を確保するために“綱渡り”状態で、異常とも言える過酷な状況が「新たな日常」として厳然たる現実に成ってなってしまっている薬局の現場事情。しかしこういった過酷な状況を生んでしまったのは、冒頭の触りでも述べた通り、製薬メーカーの一連の不祥事が、末端である薬局に皺寄せとして、起こってしまっているのが現実問題として起こってしまったのだ。では、その起こってしまった原因は何なのか?と言う結論に辿り着く。この話題は、次号に改めてお伝えする事にしたいと思う。何れにせよ、読者の皆様の中にも日常的に処方箋を常用しなければならない、疾病を持たれている方にとって、「処方箋が中々入らない」とお嘆きの方に於かれては、この様な切実な薬局の実情が絡んでいる事をどうかご理解して頂ければ幸いである。この続きは次号へ…。〣( ºΔº )〣
(今年に入り急遽、クローズアップされたのが、『調剤薬局での処方箋がない』と言う異常事態。しかもそれが日常状態化していると言う前代未聞の状態に…。)
(薬局には常に常備薬を完備しているのが常識。だがその当たり前の常識が徐々に崩壊しつつある事は現実。今後、絶対で有り得ない事が有り得る、非常識的な事態が現実問題として、増々常識化する、飛んでもないご時世に成り得る事に…。)
(薬品を扱う処方箋が卸業者に無い事から、薬局は始業開始から終業時刻まで、同業薬局にも電話を掛けて、在庫獲得に明け暮れる日々。しかも処方箋が必要な患者に即日渡される事が出来ない場合、入庫まで待たざるを得ない状況に…。薬剤師の表情にも苦悩が続く...。)
(慢性的な処方箋不足の所為で、薬局では遂に処方箋を受け取る患者さんに対して、切実なお知らせの貼り紙を出す事態に…。果たして処方箋不足が解消する状況は未だに、見通せていない。)
(通常通り、薬剤師から処方箋を受け取れる日は本当に取り戻せるのか?その見通しの目処は未だに立ってはいない。)
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JG7MER / Ackee
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