『世界的に廃止へ動き出す、サマータイムの実情』 !! (・_・;)
今年も日本各地は、連日猛暑に見舞われている。しかも大雨の影響もあり自然災害も相次いで起こってしまっている。当然の事ながら、北半球に位置する我が国であるが、丁度、今の時期は夏至の時期は過ぎたとは言え、昼間の時間は長く、夜の時間は短い。丁度、2年前に1年延期で行なわれた東京五輪開催の際に、昼間の時間帯の有効活用との事で、政府で一時期サマータイム導入の動きが遡上に上がったものの、現在ではすっかりと萎えて萎んでしまった。よくニュースでも取り上げられるサマータイムであるが、サマータイムの歴史について調べてみると期限は、第一次世界大戦にまで遡ると言う。当時のドイツとイギリスで資源節約のために、約半年間だけ実施されたのがそもそもの始まりと言われている。その後、アメリカでも第二次世界大戦をきっかけに定着し、今日に至っている。資源を大量に消費する戦争をするに中って、国内の電力需要を減らす事が最初の目的だった訳だが、結果として節電効果があり戦後も続いていると言うのが、その理由である。アメリカでは、サマータイムはデイライトセービングタイム(DST)と呼ばれ、日中の長い夏の間、時間を1時間進めて日光を使って電気を節約しようという事で、03月の第2日曜日から11月の第1日曜日までをサマータイムの期間にしている。 ヨーロッパでは、03月の最終日曜日から10月の最終日曜日までがサマータイムの期間に成っていて、アメリカやヨーロッパ諸国では実施時期の対応は待々の様だ。日本でも、昭和23(1948)年から、実際に導入されたケースはある。サマータイムの直接のメリットとして、強制的に1時間、時間を早くする事により、日没から就寝までの時間を1時間減少させ、照明用の電力の消費量を1時間分減少させる事が出来るという事だ。しかし、強制的に時間を早くするため、時刻合わせに手間が掛かるだけでなく、日没までの時間が遅くなる事で生じる影響を考慮する必要があり、特に低緯度の地域でサマータイムが導入されない理由としては、夏と冬の昼の時間に差が少ない上に、夕方や夜間に成ってもエアコンが必要な地域では、照明は不要になっても、家庭でのエアコンの電力消費量が増大するので省エネの効果はなくなってしまうと言うデメリットが生じる。当時、サマータイムを導入する事にメリットがあるかどうか検証した所、東日本、特に北海道では、ヨーロッパやアメリカに緯度的にも気候的にも近い上に、元々日本標準時の子午線の東側に中る事から日の出の時間も早く、導入のメリットは大きいと考えられる。しかし西日本では、緯度の割に夏は非常に蒸し暑く、夜も寝苦しい日が多いので、家庭でのエアコンの消費電力量が増加し、睡眠不足の人が増えるという事になり、サマータイムのメリットはないと考えられていた。日本ではサマータイム自体、第二次世界大戦が終わった直後、GHQに支配されていた日本で、当時のアメリカが既に導入していたサマータイムがそのまま持ち込まれて3年間だけ実施されていたが、結果、残業の増加や寝不足から大変不評で、サンフランシスコ講和条約が締結された直後に打ち切られ、昭和26(1951)年を以って、廃止されている。因みに当時の日本では「サマータイム」とは呼ばず「サンマータイム」と表記されていたと言う。東日本大震災と福島第1原子力発電所の事故に伴う電力不足の関係で、最近サマータイムの効果について2つの試算が公表された。一つは、電力中央研究所の主任研究員によると、「サマータイム」の需要削減効果は薄く、07月の平日に2時間営業を早めても削減効果は62万kw、08月の平日に2時間早めても88万kwと試算しており、休日シフトの5分の1程度と成っている。もう一つは、産業技術総合研究所の研究員によると、サマータイムにより、全ての人々が生活時間を1時間前倒しすると、14時(午後2時)の電力需要が抑えられる一方、帰宅によって16時(午後4時)に家庭での電力需要が逆に増加し、業務と住宅を合計した最大電力需要は引き上げられる可能性があるという試算に成っている。つまり2つの試算共、サマータイムについては、電力需要に関して、余り効果がないという結論だと言う。所がここに来て世界各地で「サマータイム」の廃止が徐々に目立ち始めていると言う。ひとつには、半世紀前と比べて、パソコンやテレビ、IH ヒーターに冷蔵庫と一般家庭に普及している電化製品の多くが時間帯に関係なく使われている。そのため、時代の変化に伴ってサマータイムの効果の意義が次第に薄く成って来たと言う事が伺える。ヨーロッパでは、EUがサマータイムを2021年に廃止する法案を2019年に可決しているものの、EU加盟国の間で協議が出来ていないため、サマータイムを引き続き実施している国もある。現在、国連加盟国193ヶ国のうちサマータイムを実施しているのは、57ヶ国で全加盟国の1/3以下と成ってしまっている。最近では、世界的にサマータイムにより健康への影響がある事や効果の意義が薄くなって来ている事から、ここに来てサマータイムを廃止する国が多くなって来ていると言うのだ。嘗て20世紀に残るこの制度であるが、時代の変化や工業技術の進歩に伴って、その効果は次第に薄らいでしまっていると言える。何れは世界各国一斉にサマータイム廃止と相成った場合、どの様なメリットまたはデメリットが生じるのか…。管理者とて非常に分かり辛いこの制度ではあるが、何れは21世紀末には、サマータイムそのもの自体が無くなってしまう事は、十分に有り得ると言えそうである。
(日本でも嘗て導入された事のあるサマータイムではあるが、不評により短期間で終わり以降実施されないまま、今日に至っているものの、最近世界的にこの制度に対して異変が…。)
(EUでサマータイム廃止が議論されている主な理由が「省エネルギー効果が乏しい」からなのであれば、「先般の東京夏季五輪で、暑い時間に競技をしなくても良い様に」と導入の議論を始めた日本には、余り関係が無かった様だ。)
(サマータイムの起源は、第一次世界大戦に遡り、資源を大量に消費する戦争をするに中って、イギリス、ドイツ国内の電力需要を減らす事が最初の目的だった。)
(しかしEU議会に於いて、ここに来てサマータイム廃止の法案が上程された。その理由は健康的にデメリットに至る影響から「効果なし」と言う結論に…。)
(日本でも高度経済成長期に、一度導入された経緯はあるが、国内から不評が多かった事から、僅か3年で終わってしまった。)
(青は、夏時間を実施している。 橙は、過去に夏時間を実施したが現在は行っていない 。赤は、 夏時間を一度も実施した事がない国々。実施しているのは、北米や南米の一部、欧州や中東の一部、豪州の一部の国々に留まっている。しかしアフリカの殆どや、東南アジア地域、南米の一部では導入された経緯はない。)
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JG7MER / Ackee
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